精密切削加工の極み！　vol.2.2

我が社はよくローレット加工をします。
主に真鍮にローレットを入れてるのですが、客先と我が社とで
ローレットに対する見解の違いが浮き彫りになりました。。。




ローレットには用途が色々あります。
例えば、模様として、またはボルトやナットのツマミとして
そして樹脂成型時の回り止め等です。


今回の案件は、樹脂成型時の回り止めに使っているそうです。

と言うことは、ローレットは出来るだけ深く加工しなければ
いけないと思います。
しかし、今回この事がトラブルの根源となってしまったようです。

加工し超音波洗浄後、真空パックして出荷しますが、海外向けで
送っているので、約２週間の運送中に袋の真空状態が悪くなり、
袋の中で製品がフリー状態・ゴロゴロと動くようになってしまった様です。

ゴロゴロと動く。つまり製品同士がこすれ合う。ローレット部分が擦れて
しまい新たにキリコが発生。そのキリコがＮＧだと言われてしまいました。
深くローレットを入れているため余計に上記症状が悪くなってしまった
みたいです。。。

客先品証さんに相談したところ、もっと浅くして欲しいと。
え？？？浅くしたら回り止めの用途が果たせなくなるのでは？？？


客先に詳しく問い合わせたところ、製品写真を見せて頂きました。
見たところ、ローレット（アヤメ）の線がめっちゃ細い！
ローレットの目が当社のが例えばマッキー（マジック）の細いタイプで
書いた線の太さくらいだとすると、客先の製品写真は髪の毛程度。

全然違います。
この目の細さなら、仮に真空パックの状態が悪化して製品同士が
袋の中で擦れ合ってもキリコは発生しないでしょう。

このキリコが成型時樹脂に混ざって、表面に浮き出るのがマズイ
らしいです。確かに見た目が良くない。。。

まとめると。。。
ローレット加工としては我が社のローレットは綺麗に加工されてて
なんら問題はありません。
客先の製品写真などは、ローレットというより、ローレット風って感じ
ですね（笑）

しかし、キリコの発生を防ぐ。と言う観点では我が社のは加工が
深すぎてＮＧ。


加工は完璧でも用途的にはＮＧという事例でした。
ローレットって色々と難しいですねぇ～～勉強・勉強♪




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